2021年6月からすべての飲食関連事業者に義務付けられたHACCP(Hazard Analysis Critical Control Points、危害要因必須分析管理点)。LEOCにおけるHACCPの取り組みをリードしているのが、東京医科大学病院事業所です。
以前同事業所で勤務し、HACCPのシステム構築に携わった管理栄養士・上田 麻実。若手社員ながら主体的に関わってきた、彼女の取り組みに迫りました。
HACCPについて、詳しくはこちら。
美味しさと安全性を両立させる、LEOCの挑戦
上田は2016年に管理栄養士としてLEOCに入社。最初は3年間、障がい者施設の事業所で勤務しました。
上田「事業所の都合で、はじめから献立作成や発注といった、事務作業を中心に行っていました。もちろんはじめは分からないことばかりだったので、毎日必死でしたけど、つらくはなかったです」
研修などで接する同期は、誰もが厨房業務に取り組んでいる時期。しかし事務作業を中心的に行っていたからこそ、早くして身についたスキルもあったといいます。
上田「厨房のみんなと自分から積極的にコミュニケーションを取って、一人ひとりの力量を考えながら、献立や一日の流れをつくっていました。『仕事がやりづらい』と嫌がってしまうのではなく、『自分からいいカタチをつくる』ことを心掛けていましたね。もちろん、それをさせてくれる社員の方々に恵まれたからこそだと思っています」
1年目から臆することなく、周囲を巻き込みながらリーダーシップを発揮していった上田。一方で経験を積むにつれ、今後のキャリアを考えるようになっていきました。
上田「3年間障がい者施設の事業所で勤務させていただいたので、『次は病院事業所に行きたいな』と思うようになりました。ヘルスケア分野の管理栄養士として、もっと幅広い経験を積みたかったんです」
おりしも支店長などの推薦で、ACD(大型急性期病院の専門部署)による研修会に参加するようになった上田。その後慣れ親しんだ事業所を離れ、サポートセンター(事業所運営をサポートする部署)に配属。2019年から東京医科大学病院事業所で勤務するようになりました。
東京医科大学病院では主に盛り付けのベルト業務を担当した上田。先輩栄養士とも積極的に関わっていく中で、自身が事業所の中で果たすべき役割を理解していったといいます。
上田「先輩たちからは、仕事のリズムの作り方や、チームの中でのコミュニケーションの取り方を学ばせていただきました。その上で、大型事業所として『一人ひとりの間を取り持つ役割』が大切だなと感じるようになったんです」
ちょうどその頃、事業所はHACCPのシステムづくりに向けて動き出したところ。ベルト業務の一員としてミーティングに参加した上田は、自分の気づきをシステムの中に落とし込んでいきました。
上田「HACCPのシステムづくりでは、まず全体の作業工程や帳票類を見直し、課題を洗い出しながらそれぞれ対策を練っていきました。その中でも大事なのは、経験の浅い社員でも分かりやすいよう、普段の業務を意識して落とし込んでいくことです。手袋の使い方や、使ったものをきちんと元の位置に戻すことなど、小さなことからきちんと決めていきました」
つくったシステムを一方的に押し付けるのではなく、一緒に並走しながら納得していける仕組みづくり。いかに事業所の一人ひとりをつなぎ、皆が正しい方向に進んでいけるか、心を砕いていく日々だったといいます。
上田「HACCPをもとにした取り組みも含めて、新人の栄養士が入ってきた時は、2年目のメンバーが研修資料をつくって指導してもらうようにしています。人に教えることを意識すると、普段の業務が『何となく』にならないですよね」
新人の時代に培った「自分からいいカタチをつくる」こと。事業所全体を俯瞰しつつ、自分にできることを考え、主体的に行動することで、誰にとっても働きやすい環境づくりに貢献してきました。
今年4月に東京医科大学病院事業所を離れ、別の大型急性期病院の新規オープンに携わっている上田。自身の能力を活かしつつ、高い衛生レベルの実現に取り組んでいます。
上田「前の事業所でつくったHACCPのシステムは、そのまま展開できるものではありません。事業所によって、取り組む課題も力を入れるべきことも違ってきます。いまの事業所の実情にしっかりと合わせて、ポイントを押さえた仕組みづくりを進めています」
そして、現在の事業所でも「間を取り持つ役割」を強く意識しているといいます。
上田「新卒の若手社員やサプラー(パート)社員など、メンバーそれぞれ経験もスキルも違います。また業者切り替えでLEOCに委託していただいた事業所なので、もちろん前の業者とは衛生ルールも違います。『前はこうやっていた』ではなく、自分たちの基準となるルールを、いかに皆が納得して落とし込んでいけるかが大切です」
どんな決め事であっても、運用していくのは人。誰もが納得し、進んで維持していける仕組みづくりに向けて、若きリーダーが挑戦を続けています。
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