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LEOC社員食堂でもおなじみ「TABLE FOR TWO」を知ろう

社員食堂などで健康メニューを購入すると、1食につき20円(給食1食相当分)の寄付金が発展途上国に届く「TABLE FOR TWO」プログラム。その取り組みを2007年から推進してこられたのが、NPO法人TABLE FOR TWO International(以下「TFT」)です。

最近では10月4日(水)にスタートする「おにぎりアクション2023」でもおなじみのTFT。今回はその担当者である山本 真穂さまに、これまでの取り組みの経緯と、そこに隠された強い思いを伺いました。

飢餓と飽食を同時に防ぐ

TABLE FOR TWOの仕組み

――本日はよろしくお願いします。さっそくなのですが、TFTはいつ、どのような経緯で誕生したのでしょうか。

山本 真穂さま(以下「山本」)「よろしくお願いします。TFTは2007年に誕生しました。そのきっかけは、世界経済フォーラム(ダボス会議)の分科会で起こった、ある出来事でした。創設メンバーの一人である近藤正晃ジェームス※は、ファシリテーターを務めた地球規模課題についての分科会で隣あったチームが、一方は『飢餓問題』、もう一方が『飽食問題』について話し合っているのに気づいたそうです。『同じ食料問題なら一緒に解決できるのではないだろうか・・・?』と考え、この2つのグループに一緒に議論してもらったのが、TFTのコンセプトの根幹になっています」
※公益財団法人 国際文化会館 理事長

――TFTは、まさに飢餓と飽食を同時に防ぐ仕組みですね。

山本「はい。TFTプログラムでは、肥満や生活習慣病予防のためにカロリーを抑えた定食や食品をご購入いただくと、 1食につき20円の寄付金が、TFTを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。 20円というのはTFTが支援する地域において、給食1食分に相当します。先進国で1食とるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みです」

――LEOCでもクライアントさまのご協力のもと、一部の社員食堂でTFTプログラムを実施しています。今ではすっかり定着した取り組みですが、当初はご苦労もあったのではないでしょうか。

山本「おっしゃる通りです。名前を聞いたこともない、立ち上がったばかりのNPOに信頼を寄せ、ご寄付をいただく点にハードルがありました。多くの企業さまへ実際に足を運び、コンセプトを根気強くお伝えしたことに加え、2008年度に施行された特定健康診査(メタボ健診)が広がりの後押しになりました」

――企業の中で「健康経営」が大きなトピックになったきっかけですね。従業員の健康リスクは、そのまま企業にとっても大きな事業リスクになってしまいます。

山本「その上でTFTの分かりやすいコンセプトや、支援する側にもメリットのあるWin-Winの仕組みであることが、参加が広がった理由の一つです。現在ではおよそ700の企業・団体で導入していただいています」

――TFTは、従業員の健康を守ることがそのまま途上国の支援につながる、非常にシンプルな仕組みです。社員にとっても参加するハードルが低く、気軽に社会貢献ができるのもポイントなのかもしれません。

給食の可能性

支援先であるフィリピン・カステリヤホスの給食の様子。現地の実情に合わせたメニューが提供されている

――現在TFTが支援しているのは、ウガンダ・ルワンダ・タンザニア・ケニア・フィリピンの5か国です。これらの支援地域が選定された背景を教えてください。

山本「TFTの主な支援先である東アフリカは栄養不良蔓延率が28.5%にのぼり、世界平均(9.2%)からみても非常に高い地域です。また、人口の多いアジアでも、栄養不良人口はおよそ4億人とされ、深刻な問題です。その上で、お預かりするご寄付が確実に支援につながるよう、信頼できる現地パートナーがいることも重視しています。また給食事業として、管理・報告体制が整備されていることも基準のひとつです」

――私たちの支援がきちんと安全に届くための基準ですね。ちなみに、どのような給食が届けられているのでしょうか。

山本「TFTが届けている給食は、その国によって異なっています。例えばケニアのビクトリア湖にある島の幼稚園・小学校では、トウモロコシの粉からつくるウガリを主食に、湖でとれた小魚や豆と野菜の煮込み、果物を提供しています。また、幼稚園ではお昼の給食に加え、朝ご飯として、とうもろこし、タカキビ、キャッサバなどで作られたお粥も提供しています。できる限りその土地で採れる食材を用い、 子どもたちがより多くの栄養を摂取できるように配慮しています」

――多くの子どもたちにとって、非常に貴重な機会ですね。

山本「はい。子どもたちの健康状態を改善するだけでなく、給食があることで、家庭での働き手とみなされていた子どもたちが初めて学校に通うことができるようになり、お腹が満たされることで学業にもより集中できるようになります。例えばザンジバル諸島(タンザニア)で給食を提供している小学校では、それまで2割に満たなかった進学率が9割まで向上するなど、子どもたちの学力が飛躍的に向上しました。
さらに同地域では地元農家に技術指導を行い、栽培した野菜を学校が買い上げる形を取っています。農作物の決まった買い手があることは、零細農家の安定収入につながり、家の修繕費用や通院費用を捻出できたという声が届いています」

――子どもたちだけでなく、現地の経済活動にも貢献しているのですね。給食が人々の社会的上昇のきっかけにつながる、大きな可能性を感じます。

その他の地域でも、給食提供が明らかな成果を上げている

より多くの人に機会を

――こうした中で、2015年には「おにぎりアクション」を開始されました。新たな取り組みをはじめられた理由を教えてください。

山本「TFTプログラムは社員食堂や学食が主な展開場所ですが、こうした場所に接点がない方も多くいらっしゃいます。参加の機会を平等にしたいということや、より多くの皆さんを巻き込んだ活動を行い、より多くの給食を届けたいと考えたことがきっかけです」

――その点、「おにぎりアクション」はSNSが中心で参加しやすいですね。おにぎりという、日本人にとってもっとも馴染みやすい軽食というのもポイントです。

山本「参加者は『おにぎりにまつわる写真を投稿するだけ』で寄付ができ、協賛企業・団体は多くの参加者と接点を持つことが可能です。社会貢献活動がこのような形で経済性と両立することを示した点は、活動の広がりにおいて特筆すべきものであると考えています」

――弊社も2020年からこの活動にコミットしています。社員の投稿はもちろんのこと、給食業務を受託しているお客様の施設や本社でのイベント、「SNSでLEOCさんの取り組みを見た」というフォロワーの方の投稿など、社員やパートナーの皆さまとのつながりをいっそう感じられる企画になってきています。

ぜひあなたも参加を!

――最後に、この記事を目にしている皆さまへメッセージをお願いいたします。

山本「TFTは『飢餓と肥満という世界の食の不均衡を解消する』というミッションの下活動しています。ご自身の健康、そして途上国の子どもたちの健康、それらが普段の『食』でつながっているということを、TFTプログラムを通じて感じていただけるよう、『おにぎりアクション』などの活動にご協力いただけましたら幸いです。TFTからも、支援先の状況、世界の飢餓・肥満についてなどお伝えしながら、皆さまとともに考え、少しでも良い世界を作っていけるよう努力を続けてまいりたいと思います」

――ありがとうございました!

【TABLE FOR TWOについて詳しくはこちら】
https://jp.tablefor2.org/

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